トピックス

「子どもたちがもっと行きたくなる図書館」 京都聖母学院小学校


子どもたちがもっと行きたくなる図書館

 2013年に創立90年となる京都聖母学院小学校は、カトリック校としての建学の精神を基盤にした教育を進めている。
豊かな心をはぐくみ、将来に役立つ確かな学力、たくましく生きるための健康と体力を身につけた児童を育て、自主性と創造性をもって生涯学び続けることのできる人間の育成をめざしている。教育の一環として読書活動を重視しており、さらに充実するために図書館を改修し、2012年2月にオープンとなった。


言語力をしっかり固め、
コミュニケーション力を養成。

京都聖母学院小学校 顧問
前校長 新井 眞幸 氏
 
本校では、どんな場合にも対応できるように、自分の考えや判断力をしっかり身につけた人間を育てたいと考えています。
授業では、ただ多くの知識を身につけるだけではなく、よく考え自分のものとして理解してほしいし、コミュニケーション力を身につけてもらいたいのです。そのすべての学びと力の礎になるのが「 言語力」です。
言語力は、国語の学習ではもちろんですが、たとえば算数でも、文章題の意味を理解して何を求められているのかを正確に見極めるうえで必要となります。自らの持てる知識を融合させて考え判断する際にも、言語力は不可欠です。たくさん本を読み、さらに自分の考えを発信したり人の意見を理解するためのコミュニケーションを通して、言語力はますます培われるものであると考えています。


調べ学習で使う机は、大きな資料を広げるため、このくらいの大きさが必要です(4人掛け)。閲覧用のイスは保護者会からの寄贈品で、改修前から引き続き使われています。



子どもたちを夢中にさせる、
図書館のさまざまなとりくみ。

 言語力を身につける学びの一環として、本校では読書に力を入れており、春と秋に読書週間のとりくみを行っています。先生方全員による読み聞かせ会や推薦本の紹介をするなど、以前から積極的な読書活動を続けてきました。大型紙芝居の製作や上演を行う保護者の図書館ボランティア活動もあり、子どもたちに人気です。
 2 0 0 3 年にはこれらの活動が認められ、「全国子どもの読書活動優秀実践校」として文部科学大臣賞をいただきました。同窓会や保護者会からの支援と協力、そして学校司書の力量に依るところも大きいと思います。司書の創意工夫には、私自身いつも驚かされます。飾りつけの名人で、子どもたちを惹きつけるための楽しい工夫がいっぱいです。改修後はますますはずみがついて、活気あふれる図書館へと生まれ変わっています。


保護者から贈られた手づくりの「ちびまる子ちゃん」は新しい図書館でも、子どもたちを見守っています。


施設のリニューアルに留まらない、
ますます「 行きたくなる」 図書館へ。

 今回の改修は、単なる施設のリニューアルに留まらず、子どもたちがもっと「行きたい!」と思う図書館に変わったことに驚いており、大成功であったと感謝しています。改修に当たっては、学院内にある中・高の学校司書教諭からの紹介で、学校図書館や公共図書館の建設・改修に実績がある平湯文夫先生にプランをお願いしました。
私たちがつくりたかったのは、ただおしゃれで便利なだけではなく、あたたかみと子どもたちの使いやすさを重視した「京都聖母学院小学校らしい」図書館でした。
すべてを新しくするのではなく、同窓会や保護者会から提供されて子どもたちが大切にしてきた古い家具も使いたいとお願いしました。
そうしたら新品のようにきれいにリニューアルされ、今も生かされていることに満足しています。図書館の活性化においては、設備・運営する人・利用する人の三者がバランス良く整っていることがとても重要だと考えています。改修後の現在、本校の場合は三者がとても上手く機能しており、いつも子どもたちであふれるような図書館になり、利用にもはずみがついてきています。子どもたちは、ますます図書館の魅力に夢中になっ
ています。


みんな仲よく、本に集中している子どもたち。


子どもたちの心をつかむ多種多様な演出


思わず本を手に取りたくなる湾曲書架。


カウンター奥が楽しい本を配架した「おたのしみコーナー」です。


貸出カードはカウンターにありますが、授業内での貸出し時は混乱を避けるため、カウンター横の丸テーブルに貸出カードを置いています。

京都聖母学院小学校
校長 澤井 広子 氏

 図書館は子どもたちに人気です。読書の時間はもちろん、なかよしタイム( 長い休み時間)や、昼休みにも静かに読書する子どもたちの姿が見られます。2013年度からは京都聖母学院幼稚園の年長さんも招待して図書館の本を借りたり、紙芝居を見たりしてもらおうと計画しています。また、本校は国際コースと総合コースがありどちらも英語に力を入れています。授業以外の普段の生活にも英語で話す機会を作っていますが、今年度は英語で本を借りる日を設定しようと考えています。子どもたちが図書館に親しみ、ますます、本が好きになってくれることを願っています。


いつ、どんなときに来ても楽しい
京都聖母学院小学校らしい図書館です。

図書館 学校司書 
小林 真矢 氏
 
 大きく変わったのは出入り口です。以前は廊下の途中にありましたが、今回の改修で廊下の突き当たりになりました。扉は両開きで、大きなガラス窓から明るく楽しい館内が見えて、より入りやすくなっています。扉には校章にあるエルミン※のシルエットがくりぬかれていて、子どもたちからは、「教室の扉もこれがいい!」といわれるほど好評です。
見通せる館内は、参考図書コーナーが設けられて落ち着いて学習にとりくめる「調べ学習のコーナー」、絵本を中心に構成した読み聞かせもできる「おはなしのへや」、文庫、学習まんが、なぞなぞなどの楽しい本を配架した「おたのしみのコーナー」と大きく3つのエリアに分かれています。
 改修以前からさまざまな季節ごとのイベントを実施してきましたが、改修後はさらにそれが効果的に行えています。たとえば、子どもたちが進んで参加した「しおりコンテスト」や、展示台につくった「おすすめの木」に自分が紹介したい本を葉っぱ型のカードに書いて貼りつけていく企画など。「おすすめの木」は、葉っぱが沢山あつまって最終的にジャングルのようになりました。また、壁などの基調色は改修前は水色でしたが、今回の改修で淡いピンクとなり、明るくぬくもりのある、京都聖母学院小学校らしい館内になっています。

※フランスの小動物で、「百合の花」ともいわれ、純潔の象徴として使われている。


必ず図書館に寄って本を借りてから帰る、そんな子どもたちで図書館はいっぱい。


展示台につくった「おすすめの木」


入口横の大きな掲示板に貼られた「しおりコンテスト」の応募。



改修前


書架を斜めに置いたり、カウンターを湾曲にしたり、床をフローリングにしたりして、子どもたちを自然に呼び込むように工夫している。


改修前の入口部分


すっかり変わって、図書館のあたたかい雰囲気が部屋の外に伝わってくる入口になりました。

■ 京都聖母学院小学校
■ 京都府京都市伏見区深草田谷町1
■ 小学校(男女共学)
■ 児童数 741名
■ 24クラス(総合コース18クラス、国際コース6クラス)
■ 立地 2階
■ 面積 約2教室分
■ 蔵書数 約2万冊
■ 専任司書2名
■ 児童一人あたりの年間貸出冊数 74冊(最高貸出冊数 423冊)
■ 年間授業での使用 読書の授業で週に15時間、他の教科で週に3時間使用。この他、学年貸出なども行っています。1年から4年まで週に1時間読書の時間があり(4年の国際コースはなし)、4年から6年までの京都検定で週1時間使用。(2013年3月現在)

関連するエントリー

最新のエントリー

エントリー一覧へ >