研究所だより

平湯文夫の研究所だより No.107



千曲川のほとりに十分に広い学校図書館ができました。

 長野県佐久穂町統合小中学校です。この写真に映っているのは、小学生の「楽しみ読みのエリア」です。絵本をたっぷり、表紙を見せておける長い湾曲の絵本架と、丸いピンクのカーペットを敷いた「絵本とお話のコーナー」を、童話をはじめ、生きのいい楽しみ読みのための本をおいた書架が放射状にとり囲んでいます。全体の広さは、この4倍ほどです。これからの新しい教育には、これくらいの広さが必要なのに、全国の教委にも学校現場にも、まだほとんど認識されていないようです。この写真は、子どもが映っていないのが至極残念です。


前号で書いた同窓会の後日譚の中から少し。

 終わったあとで、手紙や電話をもらったり、訪ねてくれたり。そして、11月には、あらためて全クラスのものも計画されているようです。
 当日、どうしても出席できなかったからと訪ねてくれたA君とは思わぬ深いかかわりとなりました。大学を出て、船舶関係の会社に勤めて、50歳で独立、以来、東南アジア諸国に中古船舶を売る仕事をつづけていうということで、楽しい話をたくさんききました。
 3年前の2人の兄のインドネシア供養の旅で行けなかった、西の果てのアンボンは、なんと
A君が20代のとき2年間住んで仕事をしたところ。日本でアンボンを知る人がいたとは。ぜひ行きましょう、などと話ははずみました。
 さらに、これも、100号でとりあげた、地獄を見た従妹が住んでいたマニラのサンタクロス街もよくいくところで、かつてのダウンタウンは、今も古い街並がよく残っています。従妹さんを供養にぜひ案内したい、いっしょに行きましょうと奇特なことを言ってくれます。
 近く、南のミンダナオ島に売る船が長崎港に着くそうで、それには、陶磁器、ガラス器、プラスチック容器に衣類、なんでももらって積んでいって、現地の人たちにあげるのだそうです。まだ、1日1食しか食べられないような人たちも多いところで何でも大変喜ばれるとのこと。
 それらは、まさにわが家をゴミ屋敷にしているものの一部。りっぱに使えるものをゴミとして処分するのをどうしても納得できず、ずっと悩ましかったもの。それを、空船にいくらでもタダで積んでいって、大変喜んで活用してもらえるとはほんとにありがたい。選り出してダンボール詰めするのに愉快な数日をすごしました。
 引越し前の家に残っている分は、次の船便に楽しみです。



この記事は、2003年7月1日から平湯文夫先生が自身のホームページ「図書館づくりと子どもの本の研究所」に掲載した研究所だよりを再編集して転載したものです。


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