研究所だより

平湯文夫の研究所だより No.108


世界学校図書館東京大会(IASL)に参加しました。

 平湯モデルの展示ブースを出してもらえるということもあって参加しました。英語がききとれない5日間はつかれましたが、それなりの収穫があったと思いました。
 ブースは、右の写真のとおり。わざわざ名古屋のショールームから届けてもらった3メートルに近いパネルのが迫力がありました。平湯モデル担当の2人のスタッフががんばってつくってくれた平湯モデル初めての英語バージョンの紹介パンフもよかったし、英語の応対もなかなかのものでした。ブースが全会場の中央だったのもラッキーでした。
 聴きとりのほとんどできない私も、5日間、英語に囲まれていると、受験勉強の英文法と単語がふしぎと甦ってきて、こちらから伝える方は最低限なんとかできたような怪しい感じを体験しました。


 そして、あらためて、英語がすっかり国際語になってしまったことを感じ、日本だけが、とり残されてしまったことを思いました。韓国も中国も東南アジアもアフリカも中東も、少なくとも知的階層では、高校までに学んだ英語がちゃんと使えるものになっているようです。
 大会は5日間もつづき、図書館見学ツアーや、夜のレセプションパーティーや晩餐会などもあって、久しぶりに会えた方や、初めて会えた、話ができたと喜んでくださる方もけっこうあって嬉しいことでした。
 もう30年以上も前、私の講演をきいて、1週間も眠れず、自分の図書館のレイアウトも展示もすっかり変えてしまい、以来新しい学校司書に生まれ変われたように思う、と熱っぽく話してくれた人もいました。今は、高校司書もリタイアし、大学で図書館学の常勤講師だそうです。秋には、3週間のホームスティー付きの交換研修生に選ばれてアメリカへ行かれるとか。
 私の講演をきいて「先生の話を20年前にきいていたら」と残念がった人の図書館を、1年ほどして訪ねてみましたが、少しも変わらない旧態依然だったような学校司書も幾人もおられました。話も本も鋭くよみとること、そして実行することが肝要です。
 近年、学図研寄りのつきあいが多かったところへ、今回は、SLA中心の催しだったこともあり、平湯モデルの大きな写真のパネルを初めて見たり、パンフを入手された方なども多く、新しい展開も期待できそうです。国外へも一つでもいい、なにか取っ掛かりができるといいのですが――。



 熱心に見ていただいたオーストラリアか らの参加者に、英語バージョンの紹介パン フの英文にチェックを入れてもらいました。


4日目晩餐会


 平湯モデルの英語バージョンのパンフ


久しぶりに東京の孫たちを迎えました。(1月おくれ)

 小6の孫息子と高1の孫娘を、前半を祖父母、後半を娘一家で分担しました。日本の歴史を学び始めたばかりの小学6年生がどう受けとめてくれるか不安だった吉野ヶ里も出島もグラバー園も十分楽しんだようでホッとしました。小6の孫息子が、別れぎわに、私たちを力強く抱きあげてくれたのは、できすぎた別れの挨拶で嬉しいことでした。


この記事は、2003年7月1日から平湯文夫先生が自身のホームページ「図書館づくりと子どもの本の研究所」に掲載した研究所だよりを再編集して転載したものです。


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