研究所だより

平湯文夫の研究所だより No.022


研究所だよりを4年も休んでしまいました。

 『「研究所だより」だけは、元気なかぎり毎月欠かしません』と約束したはずなのに、4年もご無沙汰してしまいました。『図書館のプランのことならどうぞご相談ください』などといって忙しくなったこともありますが、児童数1桁でもすべての学校に、学校司書をおく沖縄県の、その最南端の自治体竹富町を訪ねて、実状を全国に報告しようとしたあたりでつまづいたようです。竹富町最初の学校図書館活性化の担当者で、『ぱっちわーく』の編集委員でもある与儀文子さんの案内で、卒業生田中舞くんとまわったのですが、帰ってまとめる余裕がなかったのです。このホームページには写真中心で、『ぱっちわーく』にくわしく文章で、という約束もはたせないままです。


 20年前、竹富町の小中学校全14校の学校図書館の整備に一人でとりくんだ与儀さんと。  「ちゅらさん」の小浜島も、「るりの島」の鳩間島も、「太陽の子」のお父さんの出身地で日本最南端の島波照間島も、荒れる日は船酔いに悩まされながら高速艇で巡ったそうです。今は6名の学校司書で14校を受けもっているそうです。


京都に新設された立命館小学校図書館などプランしました。

  その後、立命館小学校のメディアセンターなどいくつかプランしてつくりあげたり、12,000部も売れた前川恒雄さんの『図書館員を志す人へ』を全国からの反響も加えて20年ぶりに復刻刊行したり、日本唯一の学校建築専門の月刊誌『スクールアメニティ』に1年間、「平湯文夫の学校図書館のつくり方」を連載したり、この1月には、全国SLA主催の「北米学校図書館視察」のツアーに、子どもや孫のような若い人たちにまじって参加して、なんとか無事帰還したり、といった4年間でした。


アメリカでは、ボストン市立図書館も訪ねました。

 150年前、市民のための図書館の地平を世界に拓いたボストン市立図書館のベイツホールに立ったときは、胸がたかぶりました。もう一つ。第1日目夜の、シカゴでの現地学校図書館関係者もまじえたパーティーで、ほんの短いものながら、一世一代のブッツケ英語スピーチをやって若い人たちを驚かしてやった(つもり)ことを帰っての自慢話にしています。


ニューヨークの高校図書館にて:  高校生に本を読ませるためにReader's advisory serviceにいちばん力を入れて実績もあげていると思わせたライブラリアン。教諭から図書館専任に変わったが、今ほんとうにやりがいがあると。上の写真の玄関の上の絵も彼女にぴったり。


埼玉福祉のカタログの新版に平湯モデルものせました。

 平湯モデルの『カタログ』の第3版ができないまま、一部だけ増補改訂して、埼玉福祉の『カタログ第3版』に加えました。平湯モデルカタログの第3版もできるだけ早く出したいと思っています。『生きかえらせるシリーズ』の「絵物語篇」も初版が残り少なくなりましたので、学校司書の方たちからの要望の強い、小額の材料費でできる図書館を生きかえらせる改修法や手づくり図書館家具のつくり方を新たに増補した第2版をできるだけ早く出したいと思っています。

 このホームページをつくってくれている娘の励ましで、「研究所だより」が復活することになりましたが、全体的にも写真をふやすなど、もう少し読みやすいものに変えていけたらと思っています。


この記事は、2003年7月1日から平湯文夫先生が自身のホームページ「図書館づくりと子どもの本の研究所」に掲載した研究所だよりを再編集して転載したものです。


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