研究所だより

平湯文夫の研究所だより No.009


松居友さん フィリピンでがんばっています。

  純心女子短大時代、集中講義にきていただいていた松居友さんが見えるというので、幼稚園や保育園や図書館で講演会をしていただこうと、園長さんや館長さんに声をかけました。みんな二つ返事で喜んで引きうけてくださって、たちまち5会場ができてしまいました。
 友さんは、2年前から、フィリッピンのミンダナオ島のもっとも貧しい恵まれない地域に居を移し、「ミンダナオこども図書館」というのをつくって、子どもたちに本を与え、治療をうけられない人たちに受けられるようにし、高校・大学に行けない人たちに行けるようにしてあげようと、今、懸命になっておいでです。その資金をえるために、春・秋の2回、各地をまわっておられるのです。この大変な仕事が、両国の貨幣価値のちがいから可能になるのです。(3月23日の「毎日」の全国版(多分)にくわしく紹介されています。)
  だったら、うちの子ども図書館を手伝っている学生たちにもそのことを話していただこうともちかけました。試験の真っ最中というのにけっこう希望があり、すべてを学生主体でやらせることにしました。結果は双方共に満足を与えたようです。
 その数日後には、すぐ近くで、友さんの弟の和さんの講演があり、これもまたみごとでした。その数日後には、諫早市立図書館で、お父さん直さんの、1日目は、市民のために、2日目は長崎県下の図書館
員のための講演ということですごいと思いました。できたら、親子3人のお話をつづけて聞きにいって、いつもごいっしょのご夫妻に、2人のお子さんのお話をきいた印象を伝えたいと思ったのですが、やりくりがつかず残念でした。
 いくつかの用でK市へ。改築中の市立H高校の図書館を訪ね、夜はK市の旧知の方たちと夕食しながら図書館のことを。翌日午前中は市議の控室に市の課長さんたちが、集まってくださってH高校図書館
のレイアウトなどについて。
 午後は、K市近郊の開館まもないO町立図書館で、今、建築中の宮崎県A町立図書館の担当者たちとおちあい、見学したあと館長さんの話をきく。
 そのあといっしょに長崎へ走り、夜はおそくまで、うちの子ども図書館で館内のレイアウト等について。翌日は、朝から昨夏改修した純心女子中高校図書館を見学しながら家具やコーナーのイメージを描いてもらう。そのあと昼食をとる時間もなく、その日宮崎に帰りつけるぎりぎりまで。
 今月は、今建築中の奄美の徳之島町立図書館の家具とレイアウトの検討にもずいぶん時間をとられました。でも納得できるものができそうです。3月末完成、5月下旬開館の予定で楽しみです。
 年中行事となっている、孫たちとの焼芋パーティーもなんとか夏みかんがおちないうちにすますことができました。いつのまにか巨木となってしまった椎の木につくってあげた秘密基地は友だちの羨望の的となっているようで、夏みかんちぎりもよほど楽しいようです。毎年繁った庭の木の枝や葉の処理もかねているのですが、それすら大っぴらにはできなくなったとはさびしいことです。


この記事は、2003年7月1日から平湯文夫先生が自身のホームページ「図書館づくりと子どもの本の研究所」に掲載した研究所だよりを再編集して転載したものです。


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