研究所だより

平湯文夫の研究所だより No.046


平湯モデルの新しいパンフを「愛知」でつくっていただきました。

 この写真のような28頁のパンフができて、平湯モデルも第3世紀に入るのかなと思っています。
 34年前、純心女子短大の図書館をつくったのが平湯モデルの始まりとしたら、12年前、平湯モデルグループをスタートさせたのが第2世紀。昨年3月、愛知より「いっしょに日本の図書館を変えましょう」と誘っていただいて準備にかかり、この6月、パンフができて新しくスタートすることになって、第3世紀に入ることになるのかなというわけです。
 愛知は、全国各地の公共施設や大学などのホールや講義室などに鋼製の椅子を中心に納めているメーカーです。愛知よりお誘いを受けて嬉しくおもっているのは、すべて、自社で開発したものを、自社で作り、自社で営業、販売している、あくまでクオリティ(質)で勝負しているところだと思うからです。今やかなり知られるようになったメッシュのスタッキングチェアを世界で初めてつくりあげて世界に輸出したり、グッドデザイン賞を140品目も受賞するなど、専門メーカーの中で群をぬいています。


 私が平湯モデルにとりくんだのは、同等品の入札による値引き競争の現状では図書館はよくならないと、新しい家具の開発とレイアウトの研究を始めたのでしたから、いちばん私に近い業者ではないかと思うのです。
 同等品の値引き競争で消耗しているところが多いと思う中で、どこよりすぐれたものを開発して広げていくのは、たいへんきびしい仕事だからやるところはすくないわけですが、よりよいもので、世の中をすてきに作り変えていくことになるのですから、最高の喜びでしょう。そんな愛知にさそっていただいたことを嬉しく思っています。しかも図書館は、知的社会保障制度を支えるもの、平和と民主主義の土台です。
 日本の西の果てで産みおとしたものが、全国に広がっていくのを、もし元気なうちに見ることができたとしたら幸せだと思っています。


この記事は、2003年7月1日から平湯文夫先生が自身のホームページ「図書館づくりと子どもの本の研究所」に掲載した研究所だよりを再編集して転載したものです。


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